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【セイコーGGP】レジェンドアスリートが小学生に特別レッスン!「セイコーわくわくスポーツ教室」を開催!
2024.05.24(金)国内外のトップアスリートが東京・国立競技場に集結した「セイコーゴールデングランプリ陸上2024東京」。その競技開始前の午前中に、同じ国立競技場で「セイコーわくわくスポーツ教室」が開催されました。
初めて行われた昨年に続いて2回目の開催。東京陸上競技協会に登録しているクラブチームに所属する小学生男女135名(原則5・6年生)が、おそろいのセイコーカラーである黄色のTシャツを着て参加しました。
昨年に続いて、メイン講師はセイコースマイルアンバサダーの福島千里さん(女子100m・200m日本記録保持者/順天堂大学特任助教)が担当。髙平慎士さん(北京五輪男子4×100mリレー銀メダリスト/富士通一般種目ブロック長)、江里口匡史さん(日本選手権男子100m4連覇/大阪ガスコーチ)、髙橋萌木子さん(女子100m日本歴代3位・200m日本歴代2位)というレジェンドアスリート3名をゲスト講師に招き、進行役のMCはセイコースポーツファンリーダーのたむじょーさん(ランニング×コメディ系YouTuber)、DJケチャップさんが務めました。
「今日、とてもワクワクしてここに来ました。みんなも楽しく、ワクワクしたものになればうれしいです」という福島さんの挨拶、たむじょーさんからの「みんなで楽しみましょう」の声でスタートしたプログラムは、まずは大会オフィシャルタイマーとして特別協賛するセイコーグループ株式会社の機材紹介から。
実際に大会で使用されるスターティングブロックがずらりと並べられ、フライング判定装置やその性能についての説明が行われました。
スターティングブロックを使用した種目(100m~400mの短距離、ハードル、リレー)は、スタートの反応速度(リアクションタイム)が0.100秒未満だと不正スタート(フライング)と判定され、失格となります。
セイコー製のフライング判定装置は、選手がブロックを蹴る瞬間の力をリアクションタイムとして瞬時に測定します。実際のお手本として、「リアクションタイム選手権」を実施。福島さん、江里口さん、髙橋さん、そして日本陸連マスコットのアスリオンがスターティングブロックからスタートをして、リアクションタイムの速さを競いました。優勝したのは福島さんで「0.149秒」。現役時代は「100mで勝つにはスタートしかない」と磨いた技術は健在でした。
高平さんは、「スタートの速さも大事ですが、一番大事なのは100mを速く走るためのスタートが切れるかどうか、ということを覚えておいてください」とアドバイスしていました。福島さんも「全身を『耳』のようにして、音が鳴ったら反応する」と自身の経験を伝えていました。
続いては、福島さんとレジェンドアスリートたちが、4×100mリレーのバトンパスについてレクチャーしました。
バトンパスには主に「オーバーハンドパス」と「アンダーハンドパス」の2つがあります。福島さんと髙橋さんがオーバーハンドパスを、髙平さんと江里口さんがアンダーハンドパスについてメリットや課題、うまくできるポイントを紹介。ちなみに現在の日本代表では、男子がアンダーハンドパス、女子はオーバーハンドパスを採用しています。
バトンの受ける側が後ろに向かって片手を伸ばし、渡す側がその手に向かってバトンを突き出すように渡すオーバーハンドパスは、手を伸ばすことで、お互いの距離が遠い状態でバトンを渡すことができます。これは「利得距離」と呼ばれ、オーバーハンドパスの最大のメリットとされています。一方で、走るフォームとしては無理のある姿勢になるため、スピードが落ちる可能性もあります。
髙橋さんは受ける側は「手のひらが相手に見えるように上げる」こと、渡す側は「渡す側の手のひらに向かって押し込むように渡す」ことをポイントに挙げ、「リレーはバトンを落としてしまってはいけないので、思いやりを持って渡すことが大切です」と伝えました。
アンダーハンドパスは、受ける側は手のひらを下に向けて身体のすぐ後ろ側に出し、渡す側は腕振りの流れで下から上に向かってバトンを差し出します。お互いの距離が近く、安全につなげることが利点です。加えて、髙平さんは「走るフォームと同じような腕の位置でつなげるので、無理な体勢にならず、スピードを落とさずにバトンを渡せます」とそのメリットを説明。さらに、「今の日本代表の男子は、お互いの腕が広いVの字になるぐらいに離れた位置で渡すことで、利得距離の獲得も目指しています」と、世界大会で何度もメダルを獲得してきたその強さの一端を明かしました。
レクチャーの後は、実際のバトンパスのデモンストレーションを実施。オーバーハンドパスは髙橋さんから福島さんへ、アンダーハンドパスは江里口さんから髙平さんへとつなぎました。
福島さんと髙橋さんは、ともに日本代表のリレーではダブルエースとして活躍し、前日本記録(43秒39/現在は43秒33)樹立時には髙橋さんが2走、福島さんが3走を務めています。流れるような受け渡しに、子供たちから「オー!」と感嘆の声が上がりましたが、やや詰まり気味となり、髙平さんから「40点」と辛口評価。一方で、2012年ロンドン五輪で2走、3走でつないで4位入賞を飾った江里口さんと髙平さんは、福島さんから「120点」という完璧なバトンパスを見せて大きな拍手を受けました。
ここからは、メインの男女混合4×100mリレーに向けて、ウォーミングアップをしていきます。たむじょーさんを先頭に、国立競技場のトラックを1周ジョギングし、体操をしたあと、さまざまなスキップをして身体を動かしていきます。
スパイクを履いてのダッシュですが、レジェンドアスリートたちも一緒に走り、その美しいフォームを間近で見る貴重な経験ができました。1チーム5人に分かれたバトンパス練習では、レクチャーで教わったことを改めて復習。アンダーハンドパス、オーバーハンドパスは自由に選択し、その場でのバトンパス、バトン流しを行い、いよいよレース本番を迎えます。
オープン参加の2チームを含めた27チームを3組に分けて、タイムレースで順位を決定。チーム内の5人目の選手たちはホームストレートに並んで声援を送ります。福島さんが「緊張するのは悪いことじゃない。緊張することを楽しもう」とアドバイスをして送り出し、レースがスタートしました。
第1組は、3レーンのいだてんくらぶ-Aが55秒48で1着。福島さんが走り終わったアンカーにインタビューすると、「楽しかったです」とうれしそうに答えていました。
第2組は8レーンを力強く駆け抜けたゆめおりACが52秒93で1着。福島さんは「チームの特徴は?」と聞くと、「一人ひとりの速さです」と胸を張って話しました。
最終3組の1着はKIZUNAで、タイムは56秒38。福島さんから「将来の夢は?」と聞かれると、「陸上選手で、世界に勝つことです」と力強く答えました。
総合タイムのトップはゆめおりACで、見事に優勝。福島さんの「出張レッスン」を受けられる権利を獲得しました。2位は2組2着(55秒12)だった東京ドリーム-A、3位はいだてんクラブ-Aでした。また、レース中は、DJケチャップさんが常にスタンドの家族や見守る関係者にも大きな声援を送るように促し、会場は大盛り上がり。また、レース終了後には、応援に回った「5人目」の子供たちを「君たちの応援が何よりも一番」と称えていました。
全プログラムを終え、閉会式では福島さんとレジェンドアスリートたちが、子供たちに挨拶とアドバイスを送りました。
「今日は楽しかったですか? 楽しいと思えることが一番。私も陸上が楽しいと思ってやっていました。この中に、将来セイコーゴールデングランプリに出場する人がいるかもしれません。楽しんでがんばってください」(髙平さん)
「最初は元気が足りないなと思いましたが、プログラムが進むにつれてみんなが元気に取り組んでくれました。これからトップ選手がたくさん出ますので、その競技を見て、いろいろなことを感じてください」(江里口さん)
「今日のプログラムがみなさんにとっての少しのギフトになればいいなと思います。それぞれの好きなことに向かって、突き進んでいってください」(髙橋さん)
「みなさん、とても良い走りでした。国立競技場は3年前にオリンピックが開かれ、来年は世界陸上の舞台になります。ここで走ったことを誇りにしてほしいですし、今日の結果は、楽しんだから出たものと自信を持って過ごしていってください。また、このプログラムのためにいろんな人が支えてくれていたことも忘れないでください」(福島さん)
最後は全員で記念撮影をし、大盛況のうちにプログラムは終了しました。
レジェンドアスリートたちは、すぐに「来年」へと目を向けています。髙平さんは、「セイコーさんのビジョンとともに日本陸連が歩んでく。また、そのビジョンを福島さんを通して、アスリートが子供たちに伝え、意識づけをしていくということが非常に大事。そういった未来への投資ができることが、このイベントの素晴らしさだと思います」とプログラムの意義を語ります。
セイコースマイルアンバサダーとして、福島さんも「このメンバーならどんどん良くしていくことができると思います。みなさんがもし、また集まってくださるのであれば、さらに良いものができると期待して、楽しみに、ワクワクして待ちたいと思います」と話していました。
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