男子100メートルは、ジャスティン・ガトリン(35=米国)が向かい風1・2メートルの中、10秒28で連覇した。 日本勢ではケンブリッジ飛鳥(23=ナイキ)が、10秒31で2位に入った。期待のサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)は10秒42で4位だった。 ◆ガトリンの話「昨シーズンはケガで練習できない時期があった。今シーズン初レースだったが、集中力を取り戻せて、向かい風の中でトップスピードも出せた。ケンブリッジ選手はフィニッシュがうまいのでマークしていた。また、(3位に入った)多田選手は素晴らしいスターターで驚いたが、自分のレースパターンにもっていけた。(ボルト選手が引退する)世界選手権は、ものすごくワクワクしている」
男子200メートルは、アーロン・ブラウン(24=カナダ)が向かい風2メートルの中、20秒62で連覇を果たした。 日本勢最高は20秒93で3位の藤光謙司(31=ゼンリン)。リオ五輪男子400メートルリレー銀メダルメンバーの飯塚翔太(25=ミズノ)は、21秒10で、8人中5位に終わった。 ◆ブラウンの話「今日のレースにはたいへん満足している。ホームストレートの向かい風が強かったので、前半の勢い保っていきたかった。次はダイヤモンドリーグのローマ大会、ジュネーブ大会出場を予定している。そして、7月初旬の世界選手権カナダ代表選考会で出場権を手に入れ、本戦で決勝に進出したい」
男子800メートルは、ティモシー・キトゥム(22=ケニア)が、1分47秒03で優勝した。 キトゥムはナイロビからドバイ経由の18時間のフライトで、大会当日の午前2時に成田に着いたばかりとは思えないパフォーマンスを見せた。 日本記録保持者の川元奨(24=スズキ浜松AC)が、1分47秒28で2位に入った。 ◆キトゥムの話「今朝、日本に着いて、すぐに走ったが、その割には悪くなかった。こんな経験は初めてだった。今後の目標はケニア選手権で優勝してロンドン世界選手権代表になること。代表になったら、もちろん金メダルを狙う。その後は東京オリンピックも目標にしたい」
男子3000メートルは、ポール・キプンゲチチ・タヌイ(26=ケニア)が7分52秒67で優勝した。 リオ五輪男子1万メートル銀メダルのタヌイは現在、日本の実業団チーム九電工の所属。同じく実業団のトヨタ紡織所属のエバンス・ケイタニー・キプトゥム(17)と競り合い、最後は100分の1秒差で振り切った。
男子110メートル障害は、向かい風1・8メートルの中、謝文軍(26=中国)が13秒51で優勝した。 中国の英雄・劉翔からアドバイスも受けている謝は、リオ五輪7位のミラン・トライコビッチ(24=キプロス)を、100分の1秒差で抑えた。 ロンドン、リオ五輪2大会連続米国代表のジェフ・ポーター(31)は、13秒73で7位に沈んだ。 ◆謝の話「上海ダイヤモンドリーグから1週間もなく、風向きも理想的ではなかったが、私のコンディションは良好だった。このハイレベルな2試合を経て、自分の状態が理解できたので、今後に生かしたい。世界選手権は13秒48を出せば行けるので、出場して上位8位以内を狙いたい」
男子400メートル障害は、クインシー・ダウニング(24=米国)が48秒96で優勝した。 日本の安部孝駿(25=デサントTC)が、49秒20で2位に入った。 ◆ダウニングの話「もう少し早く走りたかったが、全てうまくいく分けではない。今日はトリッキーなレースだったが、これまでやってきたことを続ければ、パニックもない。(ロンドン世界選手権選考会の)全米選手権でも、良い結果を出せると思う。代表に入れたら、ロンドンで勝ちにいきたい。常に勝利するために練習している。今後も精進して、やるべきことにトライする」
男子3000メートル障害は、ジェイラス・ビレチ(24=ケニア)が8分19秒54で優勝した。 ダイヤモンドリーグ14年、15年ツアーチャンピオンのビレチは、この日の暑さも気にしない走りで、2位のニコラス・ベット(20=ケニア)に2秒17の差をつけた。 ◆ビレチの話「日本で勝つことができてうれしい。暑い日のレースは何度も走ったことがあるので、問題なかった。6月21日に世界選手権ケニア代表選考会があるので、その前に2つの大会に出て、それに臨む。ロンドンに出場できたら3位以内が目標になる」
男子走り高跳びは、マイケル・メーソン(30=カナダ)が2メートル30で優勝した。 日本の衛藤昴(26)も2メートル30をマークしたが、1回目成功のメーソンに対し、衛藤は2回目での成功。試技数の差で2位に泣いた。 ◆メーソンの話「今日の記録には満足している。最初はリズムをつかむのがむずかしかったが、いったんつかむと2メートル30が跳べた。現在の自己ベストは2メートル33なので、2メートル36を跳びたい。世界選手権でもしっかりとパフォーマンスを出していきたい」
男子走り幅跳びは、王嘉男(20=中国)が8メートル14(追い風0・5メートル)で優勝した。 15年の世界選手権銅メダリストで、リオ五輪5位の王は、この日5回目まで7メートル84と振るわなかったが、最終6回目で逆転した。 昨年の覇者・黄常州(22=中国)は、8メートル6(追い風1メートル)で2位に泣いた。 ◆王の話「ケガでまとまった練習ができていなかったので、今日の記録には満足している。この後、世界選手権参加標準記録の8メートル15を突破したいと思っているが、中国国内ですでに3人が突破しているので、私が突破しても代表に選ばれるかは分からない」
男子棒高跳びは、日本期待の荻田大樹(29=ミズノ)が、5メートル60で優勝した。 日本陸連ダイヤモンドアスリートの江島雅紀(18=日大)と、リオ五輪代表の山本聖途(25=トヨタ自動車)が5メートル50で続いたが、試技数の差で江島が2位、山本が3位となった。 長身193センチで注目されたスコット・ヒューストン(26=米国)は、5メートル40で4位に終わった。